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巷で話題の

土曜日, 21/08/10 コメントする

巷で話題のNDM-1。
遠からず間違いなく日本にも来襲してくるし(もう来ているかも。私のお腹の中にも居るかもね)、気になったので、いくつか検索した事柄のまとめ。

概要
NDM-1New Delhi Metallo-beta-lactamaseの略。
酵素の名前である。
メタロβラクタマーゼは、カルバペネム系抗菌薬を不活化させる。
NDM-1の出現は、新たな多剤耐性菌の出現を告げている。
ニューデリーとインドの首都が入っているが、主にインド、パキスタンで発見され、あの周辺が起源と考えられるため。
誤解されるかもしれないが、NDM-1自体が新しい菌なわけではない。
NDM-1がE. coliKlebsiella pneumoniaeAcinetobacter baumanniiから発見されており、これらの菌に感染して抗菌薬の効かないものがある、ということ。
遺伝子は、プラスミドにコードされており*、菌相互間で遺伝子の水平伝播が起こる可能性が指摘されている。

なぜ最近有名になったか
ランセットにNDM-1が載ったから、と思う。
それを契機に、イギリスなどのメディアが報道し始める。
DailyMail
とかBBCとか。
それが原因だろうと思う。

NDM-1の発見の契機
スエーデン国籍のインド出身の男性がインドのニューデリーに旅行、尿管に感染*
それからインドの病院で治療を受け、退院、スエーデンに帰国**
その患者からカルバペネム耐性のKlebsiella pneumoniaeが同定された。
これがひとまずペーパーになったのが2009年の6月10日。で、受理されたのが2009年9月10日。

感染症状
現在NDM-1はE. coliKlebsiella pneumoniaeから発見されている。
だから肺炎と腸管の症状などが症状として出るが、そのうち抗菌薬の効かないものからNDM-1が検出されるかもしれない。

これまでの経緯
現在までに1名がNDM-1を持つ菌によって死亡したことが確認されている。
最初の犠牲者は、パキスタン旅行中に交通事故に巻き込まれ足に大怪我、パキスタンの病院で治療を受け退院、その後ブリュッセル市内の病院にて死亡している。
ブリュッセルの病院に入院した時点で、NDM-1保有菌に感染していたことがわかっている***

関連菌
現在、Klebsiella pneumoniaeE. coliからNDM-1が見つかっている。
遺伝子は、プラスミドにコードされている*
そのため、菌相互間で遺伝子の水平伝播が起こる可能性が指摘されている。
Klebsiella pneumoniae: 肺炎桿菌。グラム陰性。ヒトの鼻咽喉・腸管常在菌。市井でもアルコール中毒者などにおいて肺炎を起因する場合があるが、通常健常人には無害。しかし、しばしば病院感染としての尿路感染、呼吸器感染、血流感染、手術部位感染を起因し、肺炎、敗血症をもたらす場合がある
E. coli: 大腸菌。グラム陰性桿菌で通性嫌気性。腸内細菌の一。

ランセット*のとっても短い要約
NDM-1をChennai (チェンナイ; 南インドの代表都市)で44例、Haryana (ハリヤナ; 北インドの代表都市)で26例、イギリスで37例、他のインド・パキスタンの地域で73例分離した。

感染経路
医療ツーリズム、特に美容整形の為の渡航による感染がいわれている。

現在NDM-1感染者が確認されている地域
インド、パキスタン、オーストラリア、カナダ、アメリカ、オランダ、スエーデン、

対応策
GSK 299423が現在NDM-1保有菌に対して効果があるのではないかと期待されている§
動物実験、人体実験は未だ報告されていない。

Note;
時間の流れとともに抗菌薬が効かない菌が出現するのは当然なのですが、こわいですね。
人や物の移動が、これまでに無い速度で進んでいる21世紀なので病気の伝播も速くなっています。
メディカルツーリズムが西洋のほうでは盛んのようで、それによる感染というパターンはこれまでの感染症に見られなかったものですね。
感染経路の究明や、更なる大規模な疫学調査が待たれます。
このNDM-1の動向は注視していきたいです。
NDM-1がより人間に対して為害性の強い菌にも見られるようになると、対策のうちようがありませんから恐ろしいです。
院内感染にならないように気をつけたい。
病気にならない体作りを心がけたいもの。

多剤耐性菌出現の問題点: 抗菌薬が効かない。つまり、感染症が治癒しない。人間の寿命が伸びた原因の一つは抗菌薬の発見。
βラクタム系は、ペニシリン系、セフェム系、ペネム系、カルバペネム系、モノバクタム系など。
特に、カルバペネム系は多剤耐性菌に対する最終的な切り札である。
βラクタマーゼは、βラクタム系を加水分解する酵素の総称である。
多剤耐性菌といえば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)が有名。

引用元、参考文献
*Yong D, Toleman MA, Giske CG, Cho HS, Sundman K, Lee K, Walsh TR. (December 2009). “Characterization of a new metallo-beta-lactamase gene, bla(NDM-1), and a novel erythromycin esterase gene carried on a unique genetic structure in Klebsiella pneumoniae sequence type 14 from India“. Antimicrob Agents Chemother. 53 (12): 5046–54. doi:10.1128/AAC.00774-09. PMID 19770275. PMC 2786356
**New superbugs spreading from South Asia: study
***Belgian man dies of South Asian superbug
Dispatch/ヒトに常在する腸内細菌科細菌
Super-bug NDM-1: first known fatality, more infections worldwide – 引用元に不安が残ります。
§299423: GSK cites progress with a new-gen antibiotic

記事

土曜日, 11/07/09 コメントする

久々です。
blog読んでて気になった記事を。

Vinegar May Aid in Fat Loss
http://www.webmd.com/diet/news/20090622/vinegar-may-aid-in-fat-loss?src=RSS_PUBLIC
お酢は体脂肪を減少するのに役立つかもしれない
マウスを使った実験において、酢入りの餌を摂取した群はそうでない群に較べて10%以下の体脂肪減少が見られた。
酢酸は、体の脂肪を分解し蛋白質をつくる遺伝子を活性化されるといわれている。

Solitude Speeds Effects of Aging

http://www.webmd.com/healthy-aging/news/20090622/solitude-speeds-effects-of-aging?src=RSS_PUBLIC

健康な老人を5年追跡調査した結果。
社交的な場に参加しないと速く老化が進みますよ、とのこと。

Marijuana Smoke Linked to Cancer

http://www.webmd.com/cancer/news/20090623/marijuana-smoke-linked-to-cancer?src=RSS_PUBLIC

in vitroでの研究。
大麻の吸入によってDNAが傷つけられるとのこと。

大麻はオランダなどでは合法だし、大麻の体に対する依存性*というのは大変に低い。
なぜ日本で相変わらず大麻即駄目なのかが分からない。
*依存には精神依存と肉体依存がある。また、麻薬には耐性を生じるものがある。
精神依存とは薬物に強迫的な欲求を示す状態であり、肉体依存とは休薬により退薬症状を示すものである。耐性とは、目的の効果を得るために必要な量が多くなる状態をいう。

Youthful Obesity Linked to Pancreatic Cancer

http://www.webmd.com/diet/news/20090623/pancreatic-cancer-youthful-obesity-risk?src=RSS_PUBLIC

若いころの肥満は将来の膵癌と関係があるとな。
気をつけないと(汗

Weight Loss Surgery May Defeat Diabetes

http://www.webmd.com/diet/weight-loss-surgery/news/20090624/weight-loss-surgery-may-defeat-diabetes?src=RSS_PUBLIC

日本ではあまり行われていないが、欧米においては肥満体の人に対する胃の縮小手術が多く実施されている。
2型糖尿病の患者に対してそういう手術をすると、長期的に見て、症状が改善するか寛解するらしい。

Study: Overweight People Live Longer

http://www.webmd.com/diet/news/20090625/study-overweight-people-live-longer?src=RSS_PUBLIC

太り気味の人は、やせ、普通、肥満の人に比べて長生きするらしい。
ただ、調査対象は日本人ではない点に留意。

Fatty Diet Linked to Pancreatic Cancer

http://www.webmd.com/cancer/news/20090626/fatty-diet-linked-to-pancreatic-cancer?src=RSS_PUBLIC

脂肪の多い食事、それも動物性脂肪が多い、をよく摂ると膵癌のリスクが高まる。
日本で膵癌の件数は年々増加中。
その原因が高齢化にあるのか、食生活の欧米化にあるのかは私は良く知らない。
ただ、この研究結果から後者は真であるといえよう。

Fixing Gums May Help Rheumatoid Arthritis

http://www.webmd.com/rheumatoid-arthritis/news/20090612/fixing-gums-rheumatoid-arthritis?src=RSS_PUBLIC

歯周病の治療がリウマチ症状の緩和に役立つ、とのこと。
歯周病は慢性疾患であり、糖尿病との関係は少しづつ明らかになってきている。
糖尿病は歯周病のリスク要因というのは歯科医の間では常識だし、歯周病が糖尿病に関係しているのではないか、なんてことも言われている。
リウマチ性疾患は自己免疫疾患であるが、そのあたりと歯周病が関係しているのかしらん。

How Safe and Effective Are Sunscreens?

http://www.webmd.com/skin-beauty/news/20090702/how-safe-and-effective-are-sunscreens?src=RSS_PUBLIC

日焼け止めの効果は改善しつつあるが、でも60%のものは十分な日焼け止めの効果を発揮しない、とのこと。
昔の白粉に鉛が入っていたなんてのは有名な話だが、日焼け止めの
・成分は体に害はないの?
・どれだけの太陽光を反射するの?
・どれだけ汗をかくと流れてしまうの?
・どのくらい厚く塗らなければならないの?
と疑問に感じる。汗かきが蒸し暑い夏に日焼け止め塗っても結構流れてしまうのだよね。。。

Caffeine May Fight Alzheimer’s Memory Loss

http://www.webmd.com/alzheimers/news/20090706/caffeine-may-fight-alzheimers-disease-memory-loss?src=RSS_PUBLIC

カフェインはアルツハイマー病における記憶喪失を改善するかも。
マウスを用いた実験。
人間で70歳くらいのマウスにレギュラーコーヒー5杯分に相当するカフェインを経口投与し2ヶ月。
アルツハイマー病で出るβアミロイド蛋白の量がカフェイン非投与群に対して50%少なかったたとか。
マウス1匹:カフェイン500mg=人間1人:カフェイン何グラム?
カフェイン製剤でないと人間では効果が上がらないでしょう。

COPD May Contribute to Mental Decline

http://www.webmd.com/news/20090708/copd-may-contribute-to-mental-decline?src=RSS_PUBLIC

Chronic Obstructive Pulmonary Disease(慢性閉塞性肺疾患)が精神機能の低下につながるかも、とのこと。
COPDといえば喫煙がその原因として思い浮かぶけれど、そっちは関係ないのかしらん?

カテゴリー:Science

βブロッカー

火曜日, 24/02/09 コメントする

溜まりに溜まったblog(約1ヶ月分)を処理。
RSS Readerに追加するも、溜まりに溜まると最初から読み出す気が失せてしまう。
でも、どうにか読もうと、今日数時間かけた。
1000+から漸く0に。
すごい斜め読みをしていた。(気になるyoutube動画が貼られていたら見たりしていた)
さて、気になる記事が幾つか。

TimeでTop25にランクインしているblog: BoingBoing紹介されていた記事。

Beta-blockers relieve fear factor from scary memories.

元ネタはこちらで、アムステルダム大学のMerel Kindt氏らのチームが2月15日付のNature Neuroscienceに発表した、とか。
訳するのは面倒なので、記事を読まれたし。
なぜβブロッカーがそんな作用を示すかというと、恐怖を伴う経験の記憶が、通常ではない経路をたどって脳に記録されるからだろう、とのこと。
ただ、感情を伴う記憶、つまり、嬉しかったり悲しかったりする記憶もβブロッカーによってその感情の記憶が減じられるだろう、とのこと。
しかし、Post Traumatic Stress Disorderの患者はトラウマの記憶などがあるから、嬉しい記憶だとかはあまり考えないから問題なし、という旨の記事だった。 続きを読む…

カテゴリー:College Life, Science タグ: , ,

ピカチュリン

月曜日, 21/07/08 コメントする

新聞を読んでいた。
見出しに「脊髄損傷に新たな治療法」というのがあったので、それを読んでいた。
慶應大学の岡野教授らのグループが、クリングルファーマなどと組んで実験。
HGF (hepatocellular growth factor; 肝細胞増殖因子)がサルでの実験において、運動機能の回復に寄与したという。
記事を読んだ限りでは、iPS細胞(induced pluripotent stem cell)やES細胞(embryo-stem cell)と比較して、治療効果が現れる期間以外は優れているという印象を受けた。
HGFは動脈硬化で痛んだ脚の血管や、劇症肝炎、腎不全などの治療で臨床応用が進んでいるというから、より実用的に近いという。
これ、すごいじゃん。
ぜひ実用化させてほしいですね。

でも、同じページに書いてあった記事。こちらのほうに興味が。
大阪バイオサイエンス研究所の古川研究部長らのチームが、動体視力に深く関係するたんぱく質を見つけたという。
そして、そのことは21日づけのNature NeuroScienceに載ったという。
Google Newsはこちらから。
1次感覚ニューロンの視細胞と水平細胞がシナプスするところで働いてるようです。
nature neuroscienceを探したところ、ありました。

Nature NeuroScienceより転載
Pikachurin, a dystroglycan ligand, is essential for photoreceptor ribbon synapse formation
Shigeru Sato, Yoshihiro Omori, Kimiko Katoh, Mineo Kondo, Motoi Kanagawa, Kentaro Miyata, Kazuo Funabiki, Toshiyuki Koyasu, Naoko Kajimura, Tomomitsu Miyoshi, Hajime Sawai, Kazuhiro Kobayashi, Akiko Tani, Tatsushi Toda, Jiro Usukura, Yasuo Tano, Takashi Fujikado & Takahisa Furukawa

Published online: 20 July 2008; | doi:10.1038/nn.2160

This study identifies a dystroglycan-interacting protein, pikachurin, that is localized in the extracellular space between photoreceptors and bipolar cells. Furukawa and colleagues also demonstrate its requirement in normal ribbon synapse development and function.

Abstract | Full Text | PDF (1,068KB) | Supplementary information

で、なぜわざわざ書いてるかって言うと、このたんぱく質の名前が“pikachurin”だから。それ以外に理由を見つけるとすれば、解剖の勉強をやってるときに視神経が出てきたから、くらいしかない。
世界で大流行中の日本のアニメ、pokemonのピカチューから、というが…
ネタにしか思えません。
ネタだな、確実に。

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